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優しい教育改革

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ご応募ありがとうございました。

 

大きな箱に閉ざされ、その土地の文化、景色、匂いはそれぞれ違えど、同じカリキュラムにそった画一的な教育。どの地域に生まれ育っても、同じような人間が量産可能なこの教育と呼ばれている“もの”。

そんな無機質で無色な教育に色を足していく。
海、川、山、産業、歴史、文化、伝統…

その土地にしかないそれぞれの色を少しずつ、まさに十人十色に染めていくことができたら素敵だとは思いませんか?

どうやらそんな教育のあり方を模索し、挑んでいる人たちがいるようです。

島根県隠岐郡西ノ島町。
日本海に浮かぶ小さな離島で、優しい教育改革の狼煙が上がっています。

本当の教育のあり方とは?
これからの社会はどうなっていくのか、その中で子供達をどういう人間に育てていくべきなのか。今回は、答えのないこの問いに挑戦する教育魅力化コーディネーターを募集します。

あまり聞きなれない教育魅力化コーディネーターについて、西ノ島町では何をして、何が求められているか。その役割と可能性について紐解いていこうと思います。教育に想いがある方はぜひ、覗いてみてください。

はじめに、西ノ島町教育委員会教育長の扇谷さんに西ノ島町が取り組んでいる教育事業について伺いました。

「現在、西ノ島町では学力向上とUターンに繋がるふるさと教育を目標に掲げて、教育魅力化事業に取り組んでいます。従来の教育では手の届かなかったことに挑戦しようというのが発端です。例えば、現役の教師と医師に地元出身の方がほとんどいないんです。そういった子が育つように、学力がしっかり身につく環境を整える必要がある。ただ、学力向上といっても義務教育をベースにすると一律な教育になってしまうのも事実。それを補うために、町営塾『西ノ島学習塾』を設立しました」

島根県は、家庭学習の時間が日本で一番低いこともあって、その部分を補う狙いもあるようです。これまで民間の塾が島になかったことから、学力向上を実現する前段階として、学校外での学習の質を上げることを目標に取り組んでいます。

「それに、高齢化に伴い漁業、観光、畜産、福祉の分野はどれも人手不足。地域社会の未来の担い手の育成も大切です。現在のUターン者は3割くらいだけども、それを少しでも増やそうと。離島は、どうしても高校卒業と同時に一度は島から出ていく子が多い。そこで、ふるさと教育を重点的にしようと試みています」

ふるさと教育とは、地域の伝統や文化、産業の体験活動を通じて地域を学び、郷土への愛着を深める教育です。地域の良さを再確認することで、郷土に対する誇りと自信を育てていくのでしょう。扇谷さんはこうした取り組みを続けることでUターン者を増やそうとしています。そして、この2つの目標を達成するために、小中一貫教育を目指しています。

教育魅力化事業を進める中で何か課題が見えてきましたか?

「教育魅力化事業は、本格化してからまだ2年目。課題は山積みです。町営塾はしっかりしたビジョンが決まっているわけではなくて、方針も運営もまだまだ試行錯誤。ふるさと教育は教員の労働環境を考慮しながら、学習の質と量を確保していかないといけないから難しいですね」

―そういった課題をコーディネーターに取り組んでほしいということですね。

「そうです。まずはビジョン作成と並行して携わって欲しい。子供たちにどんな想いを託すかを明確に打ち出すことができれば方向性が見えてくる。西ノ島だからこそできることがあるはずで、それを見つけ出し教育に活かしていくべきなんです。中学校の校長とよく話しているんですけど、ふるさと教育は、やっぱり海を生かしたものをしてほしいと思います。例えば素潜りでサザエを採ったり、ロープの結び方とか、海だから体験できるものを進めてほしいという願いがありますね」

西ノ島コミュニティ図書館『いかあ屋』

 

西ノ島町では魅力化事業開始の1年前に小学校・中学校の新校舎を設立。さらに、今年の夏には社会教育のためにコミュニティ図書館が開館し、設備面での教育改革は完了しています。まさに本気。

「学校に図書館、教育のためのハードは揃えました。これからはソフトを整備していかなくてはいけない。けれども、ソフトの方が10倍難しいと思っとる」

今ある教育を魅力的にすることだけではなく、未来の西ノ島町を魅力的にしてくれる子供達を増やす。その中心に教育魅力化コーディネーターが必要なのでしょう。

次に、完成したばかりの小中一体型の新校舎にお邪魔しました。

こちらでは、教育魅力化コーディネーターとして活躍している小山さんに話を伺いました。小山さんは千葉県から隠岐へ夫婦で移住。隣の島にある隠岐島前高校で生物講師、教育魅力化コーディネーターを経て、現在は西ノ島の魅力化に携わっている方です。

―実際に働いてみてどうですか?

「予算と余白がしっかりとあって、好きにやれって言ってくれるとこはなかなかないと思います。他の地域のコーディネーターと話をすると、孤独感に悩まれる方もおられるみたいですが、西ノ島では全くそんなことなくて。正直働きやすいです。少人数なので、生徒一人ひとりに向き合う熱心な先生方が多いところも魅力的だなって思います」

「ただ、決まっていないことがたくさんあるので大変だと思います。まずはビジョンから…」と大きな責任の伴う仕事であることに間違いないようです。

まだまだ試行錯誤だと伺いました。どういった課題があるのでしょうか?

「町営塾においては、塾専属の講師がいないのが課題です。講師は他に本業がある地域の方が担っているので、授業時間以外に学習塾業務を行うことが難しい状況にあります。実は、授業外の時間が重要で、その時間に生徒一人ひとりにあった教材選びや学習計画の準備をしています。教育魅力化コーディネーターの増員で、学習塾における授業時間以外のサポートを手厚くできればと思います。同時に、運営に携わるスタッフも必要になりますね」

「あと、ふるさと教育には教員へのサポートが必要です。地元出身の教員は限られていますし、教員自身の専門科目とは異なる内容を扱うことも多くあります。

教員自身が西ノ島町のことを知る必要がありますし、外部講師を招いたりと、教員の負担がどうしても増えてしまうんです。現在は地元の方のサポートや、先生方の熱意によって進められていますが、教育魅力化コーディネーターがより深く関わることで推進できるところもあるかと思います。」

小山さん一人では対応しきれないのが正直なところ。他にも「西ノ島しまっこ留学」という西ノ島へ親子で移住を促進するための取り組みも行っているんだとか。

「『西ノ島しまっこ留学』では必ず事前に、西ノ島に来島していただくことにしています。来ていただいた家族には、私自身が感じている西ノ島の自然や人の魅力をできる限りお伝えできるよう意識しています。私も娘がおりまして、西ノ島で子育てをする保護者でもあります。子連れで歩くと町中の方が声をかけてくださって、子育てするには本当に良い環境だなと実感しています」

―教師と行政、地域との連携が大切だと思うのですが、教育改革を進める中で気をつけていることはありますか?

「必要なのはゆっくりと歩むことです。改革っていう言葉の響きは、現場からすると暴力的で否定的な感じもするんです。地方の公的機関でやることになるので、最先端の教育ベンチャーのような民間事業とは感覚が違います。保守的で決まりと制約がある中で挑戦していかなければいけないので、守りつつ壊して行くような。でも、そこが面白いとこでもあるし、大変なことでもありますよね」

保護者や自治体、教師など、様々な立場や意見の違いに耳を傾け、西ノ島への想いや子どもたちへの想いを共有する。互いに折り合いながら、時にはぶつかりながら。ゆっくり、でも着実に。

それが西ノ島が歩んでいく姿勢なのかもしれません。教育は一朝一夕には成りたたないからこそ、長い時間をかけて醸成していくのでしょう。今回お話を聞いたお二人から西ノ島の教育改革が長期的な目線で挑んでいることがわかりました。

同時に、コミュニケーション能力が求められるのも事実です。様々な意見に耳を傾けて、西ノ島の教育に輪郭を持たせていくためには、意思決定の力学、構造を見抜かなければいけません。

「自分の真逆の考えを持っていても、真っ向からやり合うんじゃなくて間を取り合うことも必要です。コーディネーターの仕事は、これからの教育を長期的に考えていくことになるので、若い人に挑戦してもらいたい仕事です。そして何よりローカルが好きな人じゃないと長期的には難しいと思います。だからまずは、自然豊かな西ノ島を好きになって欲しいですね」

―小山さんは元教師ということですが、教員免許を取得しているとか、教育に携わったことがない方でもいんでしょうか?

「教育に詳しくなくてもいいと思います。今の教育って戦後からほとんど変わっていなくて。教育現場が長いとその考えに染まってしまうので、むしろ何も知らない人が来て、ここが変って指摘してほしいんです。そっちの感覚が大事だと思います」

「教育畑ではない一般的な目で見て『これは先生の仕事ではないんじゃないですか?』『この教育内容では、子供達の将来のためにならない気がします』とか、普通に考えたらおかしいという感覚を持つことも大切だと思います。教育の経験のある方は、教育現場で感じた違和感を大事にしてほしいです。西ノ島でなら、その時の違和感を解決していけると思いますよ」

長年の経験から見出された、常識や習慣を払拭するのは簡単なようで以外と難しい。ここでは経験を活かすのではなく、経験から学ぶ姿勢が求められます。実際に、小山さん自身も苦労したそうです。

西ノ島町教育課

 

就任後は、職員室と教育課の二つに席を置くことになるそう。行政特有の硬く重い雰囲気かと思えば、なんだかとても楽しそうな軽い空気。

「教育課には、結果ベースではなくて人を生かすみたいな考え方があって。その人、それぞれの良さ、持ち味を出してもらえればいいかなって思います」

働きやすいと言っていた小山さんの気持ちがわかるような気がしました。

まだまだ、未完成のこのプロジェクト。
だからこそ、悩み、苦労して、あなたなりの答えにたどり着いてください。

求人募集要項
企業名・団体名西ノ島町役場教育課
企業・団体情報
募集職種地域おこし協力隊
雇用形態西ノ島町の非常勤職員として委嘱
仕事内容・しまっこ留学のPR、運営、相談 
・しまっこ留学による移住に係る業務
・公営塾の講師、ふるさと学習、キャリア教育に関する業務
採用人数1名
給与月給154,200円(最長3年)
福利厚生・社会保険(厚生年金、健康保険、雇用保険、労災保険)
・副業可能(隊員としての活動時間以外において、予め町長に届け出た場合は可能とします。ただし協力隊の業務に影響のない場合に限ります)
勤務地島根県隠岐群西ノ島町
勤務時間勤務日は原則週5日勤務とし、勤務時間は1日7時間45分を基本とします。始業・就業時間等は活動状況により変動します。休暇等のその他勤務条件等については、町が定める西ノ島町嘱託職員取扱要綱に準じます。ただし、休日等に活動した場合は代休対応となります。
休日・休暇週休二日
有給休暇あり
住宅住居は町が準備する住宅へ居住していただきます。家賃は予算の範囲内で町が負担します。
募集期間〜2019/2/22
応募資格・選考基準・3大都市圏または政令指定都市のうち、条件不利地域を除く地域に住民登録をしている者で、委嘱の日以降、早期に岡谷市に住民票を異動し、生活の拠点を移すことができる方
※地域要件については、総務省の「地域おこし協力隊」の関連ページで確認してください。
選考プロセス1.本サイトからのお申し込み
2.レポート提出
3.書類選考
4.面接
※不採用理由についてのお問い合わせにはお答えできません
その他

・西ノ島町 平成31年度採用 第1回 地域おこし協力隊員の募集について
・西ノ島町 地域おこし協力隊募集要項
・西ノ島町役場HP
・西ノ島・いいね

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