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ご応募ありがとうございました。
ものづくりが好き、手を動かすことが好き。
そんな純粋な「好き」を、仕事にできたら素敵だと思いませんか?
埼玉県入間市にある有限会社みろ造形は、モニュメントや、テーマパークのキャラクター像、展示会の模型などの立体造形を行っています。
社長含め、従業員は全員造形のプロ。
使う素材は繊維強化プラスチックや木工、ブロンズ、アクリルなど多岐に渡り、様々な依頼案件を高い技術を持って実現しています。
今回、みろ造形では造形士を募集します。
造形士という、私たちの日常ではあまり耳慣れない職業。日々どんな仕事をしているのでしょうか。「作ることが好き」というキーワードに心が動いた方は、ぜひこの先も覗いてみてください。
社長の藤田さんは、美術系大学・大学院で彫刻を学び、美術の世界での仕事を続けていきたいという思いから、28歳の時に会社を設立しました。
「美大を出ても、芸術家としてやっていくのはほんの一握りです。その他は、先生になったり、制作会社に就職したり、あとは全然関係ない職種に就く人もいます。その中でやっていくために、若いころは、ひたすら練習をしました。はじめは技術がなかったから。朝から晩まで、造形のことを考えて、寝る間も惜しんで技術を磨いていく。そういう人が残っていく世界です」
—藤田さんが美術を志したきっかけはなんだったんでしょうか。
「僕は地方の生まれで、大学に入る前に陶芸の窯元に弟子入りしていた時期があったんですよね。80歳の師匠だったんですが、80年間でとった弟子の中で一番だといってもらえた。窯を継ぐか?とも言われていた。でも、東京に出て勉強してみようと思ったんです」
今でも時々土を触るという藤田さん。大学で学んだ彫刻と、仕事を始めてから触る材料。様々な素材の造形を経験し、知識と経験を蓄えてきました。
—みろ造形ではどんなものを制作していますか?
「仏像から、キャラクターや博物館なんかのジオラマ模型まで依頼があればなんでも作ります」
なるほど、社内に掲示してある写真には馴染み深いキャラクターや誰もが見たことのあるモニュメントの写真がたくさんあります。権利を守るため、残念ながら作っているものの写真は掲載できませんが、有名なこれも作ってるんだ!と少々興奮してしまいます。
—この仕事のやりがいはなんでしょうか。
「やっぱり、モノ作り、自分の技術で食べていくっていう『志』を形にしていくことじゃないでしょうか。我々が大学生だった頃、いわゆる団塊の世代なので、美大の受験倍率なんて20倍くらいあったんですね。4浪5浪して入る人もいるわけです。その分、みんな気合が入ってたんです。それでも卒業して芸術の道に進んだら、ひたすらアトリエに籠って創作活動をして、自分の名前が売れるまでは収入がないわけでしょう。非常に厳しい世界です」
美術の世界で食べていくという『志』を貫き通すことは簡単なことではない。藤田さんが身にしみて感じているところです。
「こういう、造形の仕事をしているのは東京で十数社、関西で数社。常に競争相手が見えている世界でもあります。常に技術を更新していかないといけない」
それぞれが自分の技術にプライドをかけて、切磋琢磨しながら腕を磨いていく。大変なことですが、それが大きなやりがいだと言います。
「うちは小さい会社なので、全員が職人なんですね。力をつけないと、技術を習熟させなきゃいけない」
藤田さんが以前制作した作品を見せてくださいました。樹脂で作られた老人の人形です。
「私たちの仕事と、芸術家とで違うのは、予算と納期があること。いかに早く、きれいに作るかが勝負です。この人形は、粘土を形成して、石膏をかけて型をとって、粘土を掻き出す。中に樹脂を流して固めて着色してるんだけど、僕らは1週間ぐらいで作る。彫刻家だったら1ヶ月ぐらいかかります」
「彫刻家は傑作を狙うので、毎回120パーセントの力を注ぐ。だから不良在庫が大量にできるんです。僕らは依頼主からの納期予算に合わせて力の配分を調整しながらやらなくちゃいけない」
プロとして、依頼主の要望に応えられる精度を満たしながら、スピーディに仕事ができるようにしています。それはどんな材料・構造を採用すれば希望に近づけられるか、それに自分の作業スピードではどのくらいの時間がかかるか等を正確に把握しているからこそできることなのです。
「影武者の仕事も随分しました。有名な彫刻家の下仕事。文化勲章をもらったような人が、高齢になって自分の手を動かせなくなった時に、変わりの手となって指示の元に作る。技術的には、有名な彫刻家に負けたら仕事は来ないです」
みろ造形で働く伊藤さんにもお話を伺いました。
—入社のきっかけを教えていただけますか?
「ものを作るのが好きだったんで、そういう仕事をしたいと思って。たまたま親戚の知り合いでこういうことやってる所があるよって教えてもらえて。あ、出身は経済学部なんですけど。全然関係ないですね」
大学を卒業してから未経験で飛び込み、15年間。中堅どころとして新しいメンバーの指導もしながら活躍しています。
「好きだから続いていますね。好きだから、面白いですよね。図面だった物が自分で作れて、目の前に立ち現れる時は楽しいですね。達成感もある」
休みの日には展示会などに足を運び、新しい技術を学んでいるそうです。
「造形物を見て、これどうやって作っているんだろうって考えて自分で試行錯誤してみる。それの繰り返しです。見習い時代も今も、そんなに変わらないんじゃないでしょうか」
真面目で、コツコツできるタイプだと社長から太鼓判の伊藤さん。自身では、まだまだ一人前になったという感覚はないと謙遜気味で、もっと吸収したい技術があるようです。
この日、伊藤さんはジオラマの制作の途中でした。これも写真はお見せできませんが、細かいパーツをひとつひとつ置いていくことにより、ミニチュアの町が再現されていきます。
インタビュー中は物静かな印象だった伊藤さんですが、制作を始めるときりっと雰囲気が変わりました。
様々な制作途中のパーツ、見たことのない多種多様な工具がひしめき合う空間は、秘密基地のようであり、おもちゃ箱のようであり、好奇心がうずく環境です。
「覚えることはたくさんあるので、先輩について見て、だんだん出来る範囲が広がっていって。日々いろんな案件が来るから、飽きないですよ」
藤田さんが今抱えている課題について教えてくれました。
「この造形業という仕事は、なくなる業種ではないんですが、需要は減ってきています。まだまだ国内の技術力は外国には負けませんが、安い仕事は海外に発注されてしまう。だから、精度の高いものを作っていかなければならない。オンリーワンを目指す。ナンバーワンで横並びではダメなんです」
これからは、人件費の安い海外と勝負しなくてはいけません。技術を習得して終わりではなく、常に技術を向上させていく心意気が大切なようです。
—入社後は、まず何に取り組むことになりますか?
「はじめ2年くらいは見習い期間です。入ってすぐに出来る仕事ではないので、徐々に出来ることを増やしていく。上達のスピードは人それぞれだから、誰が向いてるとかはやってみないと分からないんです。未経験でも、熱意があって適正があればどんどん吸収してっちゃう人もいますしね。この業界では、だいたい7、8年やって一人前、10年で中堅、25年経ってベテランという感覚。ベテランの域になれば、どこでもやっていけます。忍耐力が大切ですね」
みろ造形では、どんな人であっても、雇う前に1週間程度のお試しの期間を設けています。
「来てみて、仕事としてやっていけるかどうか。埃まみれになってやるのが嫌とか。いや面白いといって続けるか。やりたいと言っても向かない人もいますしね。実際にやってみないとわからないこともありますから」
現在はどの業界も人材確保がむずかしいと言われる環境ですが、自分の手でものを作っていくという仕事に魅了されて志願する人がみろ造形にはまだまだ集まってくるそうです。
「一昨年ぐらいには面白い子がいてね。大学4年生で工学部だったんだけど、こういう仕事をやってみたいといって夏休みの期間遠くから工房に来てアルバイトをしていって。ここで働きたいからって、わざわざホテルに泊まって通ってきていたのでバイト代はほとんど宿泊費ですね。卒業してから、やっぱりやりたいっていうので就職して。本人が好きで熱意があったので、上達も早かったですね」
みろ造形で働くのは、必ずしも美大出身者ではありません。入ってからの練習が大切と言います。
「美大の大学院に通っていても、卒業したてはアマチュア十段です。しかも大学では一番上の立場で後輩達にへへーって言われて、天狗になるもんなんですよ。でも、アマチュアの十段は、プロの一段に負ける。大学で日展に出してたような子でも、マネキンを作らせたら出来ないんですよね。だから、入ったらまず目の前で作って見せます」
自己表現の世界から、職業としての技術の世界へ。
藤田さん自身、プロとしての造形の道に足を踏み入れた時に当たった壁。それは努力を重ねることでしか乗り越えることの出来ないものでした。
—最後に、どんな人に入ってきてもらいたいですか?
「組織だから、いろんな人が必要なんですよ。男性らしさ、女性らしさ、コツコツタイプもいればスピード勝負でガーッと仕上げられる人もいる。それぞれの持ち味を生かしてもらいたいですね。好きっていうのが大前提でしょうがね」
好きなことだから、頑張れる。
その気持ちは、社員全員に共通しています。
絵に描いたオブジェを現実の世界に表現する技術者集団。その華麗な手さばきは、まるで魔法使いのようでした。
弟子入りしてみたい方は、ぜひご応募ください。
求人募集要項 | |
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企業名・団体名 | 有限会社みろ造形 |
企業・団体情報 | 【業種】博物館展示制作、施工、各種模型、レプリカ作成、仏像制作、修理 【設立】1966年6月 【資本金】1000万円 【従業員数】13名 |
募集職種 | 造形師 |
雇用形態 | 正社員 ※当初2年見習い期間(業務委託扱い)後、正社員登用 |
仕事内容 | 博物館の模型、キャラクター、ディスプレイ等の制作をお任せいたします |
採用人数 | 若干名 |
給与 | 月給180,000円 昇給あり(能力による) |
福利厚生 | 社会保険(当初2年間なし) 正社員登用後あり(雇用保険 労災保険) |
勤務地 | 埼玉県入間市南峰1095−16 |
勤務時間 | 8:00〜17:00 休憩12:00〜13:00/15:30〜17:00 |
休日・休暇 | 日曜祝日休み GW、夏季、年末年始休暇あり |
住宅 | 家賃相場40,000円程度/月 |
募集期間 | 〜2019/3/2 |
応募資格・選考基準 | 未経験者歓迎 経験者優遇 |
選考プロセス | 1.本サイトからのお申し込み 2.書類選考 3.面接 ※不採用理由についてのお問い合わせにはお答えできません |
その他 |