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従業員の平均年齢28歳。梨園、米、野菜の栽培とカフェ運営や商品開発まで行う多角経営の農業法人が千葉県山武郡横芝光町にあります。株式会社アグリスリーです。
「今までの農業をこれからの食産業に変えていきたい」
そう話す代表の實川勝之さんはパティシエから家業の農業経営へ転向し、アグリスリーを立ち上げました。
「設立は2011年7月21日。きっかけは父親の突然の大怪我です。実家からの連絡で父親が動けなくなってしまったことを知って、そこから農業に携わるようになりました。パティシエが夢だったんですけど、数年後に父親が農業を引退することになったので、農業をやろうと決心して全部引き継いだんです。新しい雇用を見据えて法人化しました」
もともとこだわりが強い實川さん。フィールドが変わっても、パティシエ時代の経験や想いを農業に繋ぎ、新しい独自の取り組みを始めました。
まず、始めたのが梨の栽培と観光農園みのり園の運営です。甘い梨を多品種育て、果樹の配置と枝ぶりが均一になるように設計しました。園内はまるで庭園のように整然と美しく木々が並んでいます。梨園をパティスリー(洋菓子専門店)に見立て、ケーキをショーケースに並べるようなイメージで設計したそうです。
ー實川さんのおっしゃる食産業とは、どういったことなのでしょう?
「“農業=生産だけ”という考え方はもう古いと思うんです。今までは、生産を行うことだけが農家の仕事だった。畑と自宅の往復という小さい世界で完結していたんです。作った物を流すだけでいいんであれば、一番楽だけども、それじゃ生計を立てるのが難しい。だから僕らはもっと幅広く農業という物をとらえて、加工して、よりいろんな人に知ってもらえる努力をしています。“農”というよりもう“食”っていうくくりですよね。だから食産業かなって」
アグリスリーの組織は生産部門、加工部門、営業や広報などの経営企画部門に分けられています。中でも加工部門・自社カフェは昨年スタートしたばかりの新規分野です。
カフェの名前はFARM TO・・・
元となっているのが『ファームtoテーブル』というブルックリン発祥の考え方です。地元でとれた旬の新鮮な食材を飲食店で使い、季節ごとにメニューを変えていくというスタイルを意味します。
「ファームtoテーブルという考え方から“テーブル”部分を除いて考えます。もし、うちで加工したものをプレゼントとして送ったらファームTOギフトだし、料理屋さんで使うよう加工したらファームTOキッチンになるだろうという風に。FARM TOを通すことでいろんな可能性が生まれる場所にしたいんです」
カフェFARM TOには、加工所が併設されています。カフェはコミュニティスペースで、加工所の方は”農家のキッチンラボ”という名前になっています。
農家のための実験施設。近隣の農家さんが取れた物を持ち込み、ラボで新しいメニューを実験、出来た物をお披露目する場としてもカフェを使用しています。ネギ農家さんがネギのオイル漬けを作って商品化したり、知り合いのシェフから業務委託で頂いたメニュー開発の案件を、近隣の農家さんの野菜を使って取り組んでいるそうです。
ー生産もやりながら、こうしてカフェをオープンするのは大変なことではないですか?
「カフェはもともとやりたかったんです。ただ、人とお金も必要なので二の足を踏んでいたんですが、加工事業を組み込むことによって生産も安定するんです。大きなきっかけが、一昨年の台風。全国的に大変でしたよね。うちも施設が飛んで行ったり、事務所も壊滅的な被害を受けました。何トンという単位で梨が落ちてしまった。それでSNSを通じて、緊急プロジェクトを立ち上げて、みなさんに助けてもらったんです」
1年間作業していた結晶を台風によって落とされてしまったので、どうにか助けてもらえませんかと呼びかけました。熟しているものは傷んだところをとって、まだ青いものはコンポートにしてもらうなど、活用方法の提案や、価格を安く販売するなどの工夫をしたところ、なんとか支援の輪が周囲の協力によって大きくなり、三日ほどで完売したそうです。しかし、予期せぬ天災で被る被害を痛感したといいます。
「かたや一方で、同じような被害を受けた農家はたくさんいたはずなんです。うちよりももっと壊滅的な被害を受けながら、支援を受けられなかったところもあるはず」
「でも、今後もまわりに頼るのは違うだろうと感じて、自社の中で解決できるよう、加工できる場所を作りたかったんです。自分のところだけでなく、近くの農家さんでも被害を受けてうちに持ってきてもらったら、加工品にしてまたそれを販売するとか。近場で助けあいの仕組みを広げられるなと思って」
實川さんの言葉の節々に出てくる”助け合い”や”近所”ということば。
アグリスリーの大切にするブランドコンセプトにしっかりと組み込まれています。
”アグリスリーが大切にする 3つのアグリ”
・アグリカルチャー=地域の農業
・アグリネイチャー=自然
・アグリフューチャー=農業を憧れの職業にする
もともとアグリスリーという会社名のスペルはアグリカルチャーと、實川さんの前職での仕事場パティスリー(洋菓子専門店)を合わせた造語”agrisserie”でした。しかし社員が増え、どういう会社でありたいかをもう一度社員全員で考えた結果、3つのアグリという意味の”AGRITHREE”へ変わったそうです。
「農業は自然の恵をいただいて成り立つものなので、長く付き合うためには、まずは自然を大切にしていこうと。そして、大地に根を張って生きて行く産業ですから、その地域とは切っても切り離せないですよね。この地域を守っていくというのもあるし、いつも守られているとも言えます。地域の方に土地をお借りしてもいますから。アグリスリーだったら貸してもいいよって言ってもらえるようにしていかないと」
「郷土を愛する気持ちっていうのが強くないとできない産業かなとは思います。自分が生まれ育った町を自慢したいというか、いいところを後世に伝えていきたいと思うじゃないですか。それを基本に置きつつ、自分の仕事に絡めていく」
自分のところさえ良ければ、という考え方ではなく、周囲にもいい影響を与えるよう配慮する。實川さんもおっしゃるように、それが農業という、その土地に根を張った仕事をしていくということなのかも知れません。
ー都会出身の社員の方はどんな受け取り方をしてらっしゃいますか?
「もちろん都会とか、これまで地域とのつながりがなかった人も来ます。それに、ここ出身じゃないから、この地域に愛着持つっていうのも難しいかもしれない。だけど、自分が所属してる会社には愛着持てるでしょ。会社がよくなっていったら嬉しいじゃないですか。そういうところから、繋がっていくんだと思います」
外部から就職した社員も、自分も会社の一員となって活動するうちに、巡り巡って地域とのつながりを感じていくようです。
さらにアグリスリーは今後、地域のみんなが集まる憩いの場であったり、時にはお祭り会場、有事の際には避難場所となるような、そんな場所を作りたいんだとか。
ーそんなアグリスリーでは、どんな方が働いているんでしょうか?
「ちょっと変わった人が多いかもしれないです。他の農業法人と比べた時に、うちが面白そうと思ってきてくれてるみたいですね。外語大から新卒できている子もいます。都内に行ったりマルシェに参加すると、外国の方とお話しする機会も多いんです。じゃあ英語力も必要だよねということで広報担当として採用しました。うちが求めている能力もすごく幅が広がってきたなという感じです」
スタッフの採用、活用には多様性を大切にしていると言います。
「それぞれのスキル・特性を見て必要なポジションに当てはめていきます。ある意味、まだどの担当も足りてないですからね」
ーこれからの課題を教えてください
「たくさんありますよ。まだまだ若い組織です。未来性、将来性がある分、知識・経験が足りないということでもあります。基本である生産をきちんとこなす技術・知識はまだまだ求められていています。毎年の収穫量が安定するようにすることだとか。新しい取り組みが増えるに従ってやはり人材が必要です」
「採用については、今は売り手市場なので、応募者が前よりは減ったなという印象。若い子をどうやって育てていくのか。こういった話はうちだけではないとは思いますが、考えていかないといけないところです」
ーアグリスリーの仕事で、大変なことはどんなところでしょう
「覚える幅が多いのが大変かもしれない。梨だったら1年間経過してようやく一連の流れになるから。季節ごとに作業が全く違います。逆を言えば、違うことをやれる楽しさに繋がってくる部分でもありますね」
生産については年間を通して梨・米・野菜の繁忙期がばらけるように計算してあり、軸足はそれぞれに置きつつも、忙しい分野はお互いに手伝いながら進めているようです。伺った9月頭は稲刈りと梨の収穫で大忙しでした。
「自分は野菜を日本一うまく作れるようになるんだ!でも、美味しさを誰よりも伝えられるようになるんだ!でもなんでもいいです。それぞれの個性を発揮して、ちょっと変わったことを面白がれる人に来て欲しいですね。独立志望も応援しますよ」
新しいアイディアをどんどん形にし、進み続けるアグリスリー。担当の垣根を超え、お互いに協力しあっている仕事場です。
今後の展開にも目が離せません。これからの食産業を一緒に作っていきたいという気持ちを持っている方は是非ご応募を。
求人募集要項 | |
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企業名・団体名 | 株式会社アグリスリー |
企業・団体情報 | 【業績】農業 【設立年月日】2011年7月 【資本金】1800万円 【従業員数】11名(正社員8名・常用パート3名) |
募集職種 | ①生産スタッフ・②加工スタッフ |
雇用形態 | 正社員(試用期間3ヶ月)・農業研修生 |
仕事内容 | ① 梨・お米・野菜の生産管理、収穫調整作業 ② 加工品作り、併設カフェでのホール&キッチン業務、商品の魅力と情報発信 |
採用人数 | 3・4名 |
給与 | 月給175,000〜450,000円(試用期間165,000円) 昇給あり |
福利厚生 | ・賞与あり(年1回) ・社会保険(厚生年金、健康保険、雇用保険、労災保険) ・住宅補助あり(寮・社宅) ・独立支援あり ・社外研修制度 ・社員旅行 |
勤務地 | 千葉県山武郡横芝光町坂田112 |
勤務時間 | ①7時45分〜17時15分 休憩90分 ※春夏の繁忙期は1〜2時間程度の早朝作業、時間外労働あり ②7時45分〜17時15分 休憩90分 ※業務の受注状況により時間外労働あり |
休日・休暇 | 月5日休み 長期休暇(年末年始6日、冬季休暇5日)、有給休暇あり |
住宅 | 個室寮あり(寮費30,000円/月) |
募集期間 | 〜2019/1/28 |
応募資格・選考基準 | 年齢:18〜40歳 未経験者歓迎 仕事体験希望者・実務経験者(農作業、トラクターや機械操作などの経験者)優遇あり 普通自動車免許(AT限定可) |
選考プロセス | 1.本サイトからのお申し込み 2.書類選考 3.面接 ※不採用理由についてのお問い合わせにはお答えできません |
その他 |