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成田空港から車で20分ほど走ると、辺りが畑に囲まれた風景が広がります。千葉県北東部、香取市。千葉県で一番の「耕地面積」を持ち、特にさつまいもの生産が盛んな地域。毎年11月には、ふるさといも祭という焼き芋を無料配布するお祭り(芋フェス)まであるんだとか。
そんな香取市(旧栗源エリア)に、『株式会社さつまいもの石田農園』はあります。作業場にお邪魔すると、従業員の皆さんが出荷作業をしている所でした。和気あいあいという言葉がぴったりくる、和やかな雰囲気です。
石田農園の歴史は古く、江戸時代からこの地でさつまいもを作り続けてきました。今は7ha(サッカーフィールド10面分)の畑で野菜を栽培しています。これまでは家族経営でしたが、2018年の3月に法人化。事業の拡大に伴い、新しいメンバーを募集します。
今回お話をお聞きしたのは、石田農園副代表の石田湧大さん。現代表の石田雅彦さんのご子息で、同農園の8代目にあたります。
—まずは、法人化の経緯と、湧大さんご自身について教えていただけますか?
「18歳で家業を継ぐことを決めたんですね。継がないでいいよと言われていたんだけど。でも、継ぐと決めて。どうせだったら行けるところまでいこうとなって、人を雇って拡大することにしました。儲かる農業をしようと。今までは家族経営で、自分たちでやっていける分だけでいいという感じでやってたんですけど。それから年商は2倍ほどになり、5年前に初めて新しい人を雇い始めました。今は家族3名の他に、従業員が5名います」
—今年の3月に法人化したんですね
「そうです。実は僕、平日は東京で会社員、週末はこっちに戻ってきて農園の仕事をしてるんですけど、9月に退職して、完全に石田農園に入ります」
湧大さんは高校生で実家の農業を継ぐと決めながら、人材会社、PR会社と経験した農業人としては少し変わった経歴の持ち主。
「最初に人材会社に行ったのは、農業では採用に苦労するだろうなと思ったからです。そこで新規営業を経験し、企業が直面する課題と向き合うことで人材獲得のノウハウを得ました。そのあと、メディアに取り上げられたいな、と思ってPR会社に。小さな個人経営の農家がやっていることを取材してもらうことなんて出来るのか?って当時は思ってましたけど。でも実際にうちの商品をメディアにたくさん取り上げてもらっていて、経験は確実に生きてますね。個人でも出来ることが分かったんです。最近では、某有名番組からオファーもいくつかいただきました」
野菜作りは父・雅彦さんとの二人三脚。
「生産に関してはまだ勉強中なので、今は父が社長で生産全体の管理をしていて、僕は採用やPRの部分を担って親子二人三脚でやってます。僕もあと5年くらいで生産工程をマスターしてっていうイメージです」
柔和な印象を受ける湧大さんですが、お仕事の話が進むにつれ、熱量がとても高い方だということがだんだんと分かります。
-石田農園では野菜の生産以外には、どんなことをされてるんでしょう
「オリジナル商品の生産を2年前から始めました。干し芋と焼き芋。どちらも紅はるかという品種なんですけど、甘くて美味しいんですよ。これ、商品化したら売れるんじゃない?と思ってて。いろんな会社の出してる干し芋を食べまくって、値段と味と内容量を研究しましたね。それから、熟成の仕方もオリジナルです。普通はさつまいもは長期間寝かせて甘くするんですけど、保管場所も時間もかかるので、どうにか短い時間で甘くならないかなって色々工夫した結果、寒暖差をつける方法を編み出しました」
長期間寝かせることによって芋のデンプンがブドウ糖に変わり、糖度が増します。多くのさつまいも農家がその方法をとるのに対し、湧大さんは、ハウス内の気温を短いスパンで変化させ、さつまいもに寒暖差によるストレスを与えました。そうすることで長期熟成よりも甘くすることに成功。さつまいもは保管場所が寒すぎると腐ってしまうため、微妙な調整が必要なんだとか。
そうして甘くなった紅はるかで干し芋を作ったところ大ヒット。
「12月から2月までの3ヶ月間限定の商品なんですけど、1万個売り上げました。まずは地域での消費を増やすために、知り合いづてで結構サンプリングをしました。新商品を作ってみたんだけど食べてみてって。そうしたらそのサンプリングが意外にうまくいって。地元にはこういうきちんとパッケージになった商品がまだなかったんです」
短期で寒暖差のストレスをかけ、糖度をあげた芋をふかして天日にあてることで、今までの干し芋にはないような独特の粘りが出る。そこで商品名を『グミいも』と名付けました。パッケージも女性が手に取りやすいよう、ピンク色を採用したそうです。
グミいもは香取市で初めて行われた食品アイディアコンテストで30商品の中からグランプに選ばれ、一般300人の最終投票では、投票箱が溢れるほどに票が集まったとのこと。
柔らかく、皮まで食べられて、ひとつのサイズが小さくジップ付きの包装。一般的な焼き芋は大きすぎて女性やお年寄りには食べにくいため考案したサイズです。味はもちろん、食べやすさもこだわりのポイント。
香取市では農業が盛んですが、あまり世間にそのイメージが周知されていない、もっとPRできる余地がある、という思いを長年抱えていたという湧大さん。
「ここ(香取市)に色んなところから人を呼び込みたい。PR会社に入ったので、行政やいくつかの事業主に提案もしてみたんだけど、相手にされなくて。だったら自分でやってやろうっていうのが今の取り組みを始めたひとつの理由です」
—この仕事のやりがいはどんな所でしょうか?
「石田農園のファンを作りたいなと思ってやってます。ただ野菜を作っていても、スーパーで買うお客さんはうちが作ったさつまいもって分かって食べている訳ではないんです。名前もついてないから。でも、たとえば加工品をやることによって、石田農園の焼き芋ねって、名前を覚えてくれて直接お客さんと繋がれる。一回食べてくれた人がファンになってまた買ってくれたりしたら嬉しいですね。それから、まだ若いからやっぱりなめられるんですけど、新しいことをどんどんやっていって実績を作っていくことで、信用されたり、『石田さんのところだったらやりましょう』って言ってもらえることも増えてきていて。そうやって積み上げたことが次に繋がっていく瞬間はやりがいがあります」
周りがやらないなら、自分がやる。そうしてどんどんと新しい取り組みを始めている湧大さん。今後は、食育の分野にも挑戦していきたいと言います。
「農業体験やイベントって色々あるんですけど、子供達みんなが地方にいって体験出来るわけじゃないですよね。なので、卸先のスーパーさんと組んだりして、もっと身近で土と野菜に触れる仕掛けをしてみたいと思ってます」
—そんな中、このお仕事で難しいと思うことは何でしょうか
「農業を大きくしようと思ったら、単純に農地を広くすればいいわけじゃない。畑一枚あたりの収量を上げなければ人件費や肥料代ばかりかかって儲からないんです。でも、日本の畑は小さく区画されていたりするから、機械で一気に作業するっていうわけにもいかない。だから、いかに作業効率をあげて、うまくチームプレーを作っていくかにかかっています。その土台作りがすごく大事で、難しいです」
—今回の人材募集で、どんな人に来てもらいたいですか?
「20代で元気のある人!それだけです。学歴とか、キャリアはなくて構わない。もちろん、これまでの経験を生かす所はあるだろうけど。技術とか、営業能力だったりとかは、あとからついて来ると思うので。それよりも、僕と一緒に走ってくれて相方になってくれるような人に来て欲しいです。絶対に楽しくやりがいを感じてもらえる自信があります!」
「あとは家族的な関係性があるので、そのコミュニケーションを楽しめる人だといいな」
加えて、もう一点大切なことは“自分は何のためにここにいるのか?”という目的意識をきちんと持つことだといいます。
「目的意識のない人は、ちょっと厳しいと思います。引越しが伴う場合もあるので、なんとなくという意識だとなかなか続けるのは難しいです。独立したいとか、田舎ぐらしがしたいとかでも何でもいいですけど。やっぱ大変ですもん。暑くて汗だくになるし、泥まみれになるし」
その代わり、メンバーとなった際はやりがいをもって働けるよう、バックアップには気を遣っているそう。
「加工品の商品開発でも、やる気があればどんどんやってもらいたいです。原材料も提供するし、石田農園の名前を使ってPRを試してもらってもいい。もちろん、新規就農を目指す人は働きながら技術を学ぶことも出来ます。石田農園の主な作物はさつまいもと人参ですが、それ以外にもやってみたい作物があれば、チャレンジできます」
また、従業員に長く働いてもらうために、農業界では珍しく、福利厚生にも注力しています。農園近くの天然温泉「美人の湯」に、社員なら誰でも何度でも入浴できるようにしました。機械が導入されても、やはり肉体労働も伴うので、できる限り社員の健康に気遣いたいという思いです。この「美人の湯」は高校時代石田さんが3年間アルバイトとして働いた思い出の場所でもあるのです。
社員全員に配っている会員証も手作り。
「地域にあるものを活用して、農業をもっと魅力的な産業にできたらな、なんて考えてます。小さいところからですが、うちで温泉を福利厚生として使わせてもらってるのもその一環です」
自社の農場だけに留まらず、常に地域の資源に目を向けたアイディアがここでも光ります。
新しいことを始めるとき、どこから手をつけていいか分からないことがあります。そんなときは、足元にあるものを生かして、ひとつひとつ手を動かして進んでいく。
勢いをつけて走ることもあれば、家族やチームのメンバーとのお茶の時間が肩の力を抜いてくれる。
そんなバランスが心地いい、魅力的な環境です。
求人募集要項 | |
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企業名・団体名 | 株式会社さつまいもの石田農園 |
企業・団体情報 | 【業種】 農業 【設立年月日】 2018年3月 【資本金】 300万円 【従業員数】 7名 |
募集職種 | 農産物生産・加工スタッフ |
雇用形態 | ①正社員、②農業研修生 |
仕事内容 | ・さつまいも、人参、大根、じゃがいも等の生産業務全般 ・さつまいもを利用した加工品の生産および販売 ※研修生は将来、農業で独立することを前提としますが、当農園で従業員として働くことも可能 |
採用人数 | 2名程度 |
給与 | ①170,000円〜240,000円 ②日給5,000円〜、時給850円〜1,250円 ※経験・スキルによって異なります 昇給・時間外手当あり |
福利厚生 | ・賞与あり(業績による、寸志程度) ・通勤手当あり ・社会保険(厚生年金、健康保険、雇用保険、労災保険) ・住宅補助あり ・独立支援あり ・温泉入浴カードの配布(近隣にある天然温泉を面としたレジャー施設での入浴が何回でも可能) |
勤務地 | 千葉県香取市荒北876 |
勤務時間 | 8:00〜17:00(休憩時間90分) 休憩時間の目安:10時から20分、お昼50分、15時から20分 ※時間外労働あり(月平均5時間) |
休日・休暇 | 年間休日数75日 夏期休暇、年末年始休暇、長期休暇あり |
住宅 | 遠方の方は近隣アパートを借りていただきます。 (家賃相場3万〜4万円程度/月) |
募集期間 | 〜2019/1/11 |
応募資格・選考基準 | 年齢45歳まで ※長期勤続によるキャリア形成のため 普通自動車免許(AT限定可能) その他学歴経歴不問 |
選考プロセス | 1. 本サイトからのお申し込み 2. 書類選考 3. 面接 ※不採用理由についてのお問い合わせにはお答えできません |
その他 |