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相談件数が急増?
事業引継ぎ支援センター

今回は、相談件数が急増しているという「事業引継ぎセンター」について詳しく解説していきたいと思います。

事業引継ぎ支援センターが設置された背景

日本政府は、中小企業、とりわけ小規模事業者の高齢化が進み、事業が縮小・廃業することによって地域の経済が縮小することに危機感を覚えています。さらに、事業の縮小・廃業により、2025年頃までの10年間に累計で、中小企業によって支えられていた650万人の雇用が喪失、結果として22兆円もの経済損失の可能性があるのです。

そこで、後継者不在など、事業の存続に悩んでいる中小企業・小規模事業者の相談に対応するため「産業活力の再生及び産業活動の革新に関する特別措置法」に基づき、全国47都道府県に認定支援機関に「事業引継ぎ窓口」が設置されました。その後、あまりにも相談が多いことから支援体制を強化。後継者不在事業所の事業を第三者に承継・譲渡することで、多くの中小企業を継続させ、地域活性化するために様々な体制が整えられ、さらに「事業引継ぎセンター」を設置し始めました。

そして、現在では47都道府県全てに設置が完了。経済産業省、中小企業庁から委託を受けて設置・運用をしています。

 

支援内容はどうなの?

事業引継ぎセンターは公的相談窓口になるので、無料で相談ができます。専門スタッフが秘密厳守で対応してくれるため、事業の譲渡を考えているのであれば一度相談してみるのはいいかもしれません。もちろん、第三者承継だけでなく、親族や役員従業員への承継も対象とされています。

反対に、事業拡大を目指してのM&Aを検討されている方の相談も受けられます。但し、M&Aへの着手や資産評価等については別途費用が必要とのことです。

 

実績の推移

平成29年の相談者社数は8,526社となっており、昨年度の6,293社から約2,300社増加しました。増加率としては、前年比35.4%増加していることから、事業承継が認知されてきているようです。一方で、引継ぎ成約件数は、平成29年が687件、平成28年が430件となっており、これからさらに増加していくことが予想されます。

 

平成29年度に認定支援機関が実施した事業引継ぎ支援事業に関する事業評価報告書

M&Aというと、悪いイメージを持っている方もいるかもしれせん。しかしM&Aは、地域の産業を救い、雇用を守ることにつながる可能性を秘めています。M&Aや事業承継の取り組みを理解し、これまで大切に培ってきた経営資源を意欲ある担い手に上手くバトンタッチすることで、さらに産業が成長し地域社会に貢献するかもしれません。