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地域おこし協力隊の失敗⑵
「正論正義主義者」

コンピューター付きブルドーザーの異名を持つ総理大臣、田中角栄。日本列島改造論を提起し、優れた人心掌握力で戦後の日本の形を作ってきた異才の政治家です。そんな彼が次のように述べています。

「政治家は発言に、
言って良い事、悪い事、
言って良い時、悪い時、
言って良い人、悪い人
に普段から気を配らなければならない」

この言葉は何も、政治家に限ったことではありません。縁もゆかりもない土地に着任する可能性のある地域おこし協力隊にこそ、知っておいて欲しい言葉なのです。一から人脈を築き、地域に溶け込むことは簡単なことではありません。何かを変えようするのであれば尚更です。

 

正論が正しいわけではない

地域おこし協力隊が地域や行政と揉める理由の一つに正論が正しいと思い込んだ論争があります。地域への不満、行政への不満は、言って良い事、悪い事。言って良い人・悪い人。言って良い時・悪い時をしっかり見極めさえすれば解決できるのです。 正論を武器に、正面突破しようとすると軋轢を生んでしまうだけです。確かに、腹を割って話すことは大切ですが、信頼関係を構築し良好な関係を維持してからでないと相手を傷つけたり、不快にさせる場合もあります。

地域おこし協力隊は地域に溶け込もうと、様々な会場に足を運び、たくさんの人と会うかと思います。その中には議員や企業の役員、町内会、組合など様々な立場の方が入り混じっています。そういった場で、地域のためにと正論をぶつけるのはリスクは大きいと認識しましょう。相手にも立場があるので危険です。

適切なタイミングで、 適切な意見を、 適切に説明できる人間であれば、地域おこし協力隊はすぐに活躍できるといっても過言ではないのです。

 

どう変えるかより、どのように変えるか

何かを変えたいのならば、変え方にも知恵を使うべきです。協力隊として地域を変え、事業を成し遂げるには、それなりの能力とそれなりの時間がかかります。まずは、なぜ地域が変わらないのか、或いは、なぜ変えれないのかを知ってください。それが既得権なのか、伝統なのかをしっかり見極めてから、判断しても遅くはないでしょう。また、あなたが思っている「地域のため」は、地域が求めている「地域のため」なのかは、わからないのです。この地域との認識ギャップを埋めることも大切です。まずは時間をかけて、自分のしたいことと、地域が求めているものをしっかり見極めて行動するといいでしょう。