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加速し続けるSDGs
2019年は飛躍の年となるか

2018年12月21日、総理大臣官邸において6回目となる持続可能な開発目標(SDGs)推進本部会合と第2回「ジャパンSDGsアワード」表彰式が開催されました。

今回は、推進本部連合会で策定された「SDGsアクションプラン2019」についてまとめていきます。

「SDGsアクションプラン2019」のポイント

SDGsアクションプラン2019では日本のSDGsモデルの3本の柱に沿って、SDGsの推進を強化していく旨が強調されています。

SDGsモデルの3本の柱とは
① SDGsと連動する「society5.0」の推進
② SDGsを原動力とした地方創生、強靭かつ環境に優しい魅力的なまちづくり
③ SDGsの担い手として次世代・女性のエンパワーメント

それぞれの柱ごとに取り組んでいく内容は下記の図の通りとなります。

出展:持続可能な開発目標(SDGs)推進本部 SDGsアクションプラン2019

今回のアクションプランにおいて、私たちに大きく関わってくる部分がいくつかあります。その一つが中小企業におけるSDGs推進の強化です。

現状、中小企業ではSDGsの推進が浸透しておりません。関東経済産業局が10月に実施した「中小企業のSDGs認知度・実態等調査」によると、調査対象500社のうち、98%が「SDGsについて全く知らない」や「内容は詳しく知らない」「対応は検討していない」と回答しています。

一方、大企業はというと、関連省庁との繋がりも深いことからSDGsへの取り組みを強化してきました。「ジャパンSDGsアワード」受賞企業の中にも株式会社フジテレビジョンやヤクルト本社など歴史の長い大企業が多く受賞しています。

今回のアクションプランの中小企業に対するSDGsへの取り組み強化とは、この大企業と中小企業に対するSDGs推進への取り組みの熱量の違いを埋める目的があると推測できます。また、「経団連が7月に企業行動憲章に関するアンケート調査」ではアンケートに回答した企業の8割が経営理念や企業行動に関する規範・指針にSDGsを反映していると回答しており、大企業にとってSDGsは取り組まなくてはならないものとして認識されていることがわかります。

中小企業も動き出す

持続可能な社会を形成する上で、地方都市などでは地元の企業との連携が不可欠です。その中で長野県や関東経済産業局などはSDGsコンソーシアム(共同事業体)の設立に踏み出し、地元中小企業との連携を強化しようとしています。

今回のアクションプランによる中小企業に対するSDGsへの取り組み強化の推進によって、より活動が積極化される可能性が高く、こういった連携や支援に疎いままでは将来的なビジネスの成功からは遠のいてしまうでしょう。

SDGsは「知らない」では済まされない、すべての企業に対して影響力を持つものだという認識を持つ必要があるのです。

また、今回のアクションプランで言及されているSDGsを活用した地方創生においても、ICT等先端技術を活用した地域の活性化やスマート農林水産業の推進などが謳われており、中小企業のみならず一次産業従事者や、地方自治体に関してもよりこれらの情報に敏感になる必要性と、それを踏まえた上での行動を求められていることがわかります。

このように今回のアクションプランによって、2019年は過去よりもより多くの人々がSDGsという概念を理解し、それを自身の中に落とし込んで行動していくことの大切さが増していくと考えられます。

 

2019年は日本がSDGs推進の主役

今回の持続可能な開発目標(SDGs)推進本部会合で言及されている中に、来年行われる会議において日本がリーダーシップを発揮していくことの重要性について言及されています。 2019年に世界の注目が日本に集まるイベントとして、日本が議長国を務めるG20サミットや8月に横浜で開催されるTICAD7(アフリカ開発会議)といった国際会議があります。9月には世界で初となるSDGs首脳級会合も控えており、2019年はSDGsを考える上でとても重要な年なのです。

これらの世界で重要な会合の機会に、日本がSDGsを力強く推進することで、国際社会に日本がSDGsの力強い担い手であることを示していくことができます。 これはSDGsを今後推進していく上で日本がリーダーシップを発揮することができる大きなチャンスなのです。 こうした日本に注目が集まる2019年のSDGs推進に関して安倍総理大臣は今会合において以下のように発言しています。

<中略>第三に、「国際社会をリードする日本」を世界に発信します。来年は、G20やTICADがあります。世界の注目が集まるこうした機会を通じ、SDGsの力強い担い手たる日本の姿を国際社会に示していきます。G20やTICADを通じ、質の高いインフラ、防災、海洋プラスチックごみ対策、気候変動等の取組をリードします。「人間の安全保障」や「人づくり」の基礎となる女性、保険、教育を重視します。これらの成果を、来年9月の国連総会の際に開催されるSDGs首脳級会合において、G20議長として国際社会に対して発信します。

出展:持続可能な開発目標(SDGs)推進本部会合(第6回) 総理発言全文

このように2019年におけるSDGsの推進においては日本国全体を挙げての取り組み強化がなされます。

こうした流れの中で、SDGsの取り組み強化が中小企業など、過去よりも対象が大きくなるわけですから、2019年アクションプランを確認し、自分たちに何ができるか、どんな世界を作っていこうという理念を持つのか、そういった取り組みをすることが重要になってきます。


参考:関東経済産業局 中小企業のSDGs認知度・実態等調査結果概要
   日本経済団体連合会 企業行動憲章に関するアンケート調査結果

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