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地方自治体が担うSDGs
達成への役割

SDGs(持続可能な開発目標)は世界中のすべてのステークホルダーが参加し推進していくものです。しかし、それぞれの国、立場によって身近なものから、縁があまりなさそうなものまで広範なゴールが設定されています。では、私たちにとって最も身近で取り組みやすいSDGsのゴールとはどういったものになるのでしょうか。

SDGsの17のゴールを見てみると11番目に「住み続けられるまちづくりを」という項目があります。さらに、我が国が定めたSDGs達成のための8つの優先課題の3番目には「地域活性化」という言葉も出てきます。私たちの日々の生活の中でも「まちづくり」や「地域活性化」という単語はだいぶ親しみがありますよね。

少子高齢化や、大都市圏への人口流入など、すでに多くの地方ではそれらの問題に直面し「地方創生」を合言葉のもと、解決のために活動しています。大都市圏でも頻繁に百貨店での地方物産展が開催されたり、ニュースなどで独自のまちおこしをしている自治体が取り上げられるなど、「まちづくり」への興味関心は日本中で高まっています。

そんな「まちづくり」を通して、多くの人がSDGsに取り組んでいくことを日本政府も期待をしており、様々な支援策などが決まってきているのです。

「まちづくり」「地域活性化」はその地域に根ざした自治体・企業と、住民の相互協力によってなされていきます。その中核をなし、リーダーシップを持って取り組みを推進する地方自治体の役割はとても重要です。では地方自治体はSDGsに取り組む上でどのような役割を求められているのでしょうか。

地方自治体には大きな期待が寄せられている

SDGsを推進していく上で、地方自治体に求められる役割について、「持続可能な開発目標(SDGs)実施方針」では下記のように記されています。

SDGsを全国的に実施するためには、広く全国の地方自治体及びその地域で活動するステークホルダーによる積極的な取組を推進することが不可欠である。この観点から、各地方自治体に、各種計画や戦略、方針の策定や改訂に当たってはSDGsの要素を最大限反映することを奨励しつつ、関係府省庁の施策等も通じ、関係するステークホルダーとの連係の強化等、SDGs達成に向けた取組を促進する。

出展:持続可能な開発目標(SDGs)実施方針

また、持続可能な開発目標(SDGs)推進本部第3回会合での安倍総理大臣の発言も地方自治体に向けたものが含まれています。

「私から、次の3点につき改めて指示します。(中略)第二に、地方でのSDGsの推進です。これはまさに地方創生の実現に資するものです。関係閣僚が連携して、SDGs達成に向けた地方の取組を促進する施策を検討・実施していくようお願いします」

出展:持続可能な開発目標(SDGs)推進本部会合(第3回)総理発言全文

以上のようにSDGsの推進当初から地方自治体の役割について言及されているとともに、大きな期待が寄せられていることがわかると思います。

地方創生とSDGsの融合

その後、よりSDGsの活動を促進するために、2017年6月に閣議決定された「まち・ひと・しごと創生基本方針2017」には「地方公共団体における持続可能な開発目標(SDGs)の推進」が盛り込まれました。

そもそも「まち・ひと・しごと創生基本方針」とは2014年から始まった、我が国の抱える人口減少、超高齢化社会の問題に対して、各地域が各々の特色を活かして、自律的で持続的な社会を作っていくという、地方創生の取り組みを促すものです。

SDGsの11番目のゴール「住み続けられるまちづくり」の内容が「都市と人間の居住地を包摂的、安全、強靭かつ持続可能にする」ですので、共通する部分が多くあることがわかります。

「地方公共団体における持続可能な開発目標(SDGs)の推進」ではそれぞれの地域が現在取り組んでいる、「環境未来都市」構想のさらなる進展と、地方公共団体によるSDGs達成に向けた取組を促進するための施策の検討と、方向性を取りまとめるよう指示されています。

つまり2017年の創生基本方針によって、地方自治体におけるSDGsとは、新たな概念や施策ではなく、現状取り組んでいるものの拡大版や、促進を促すものとされ、過去よりも一層の力を入れて地方創生に取り組む必要性が強調されているのです。

実際に2018年からはSDGs達成に向けて優れた取組を提案する29都市を「SDGs未来都市」として選定し、関連省庁における強力な支援をすることを決めました。さらにその中でより先導的な取組を行う10都市は「自治体SDGsモデル事業」としても選定され、資金面での援助を受けることが決まっています。

政府は地方自治体から、世界に発信できる成功事例の創出を求めています。またそれに対する補助を惜しまない体制も整えました。ここまで本気で地方自治体によるSDGsの推進を促しているわけですから、これらの活動に取り組まなければその地域は時代に取り残されてしまうことも同時に伝わってきます。

地方自治体の役割はSDGsを通してより重要なものになっています。今後地方自治体には、今までの活動に加え、より変化に素早く対応できる体制を整えると同時に、新たな方向へと地域全体引っ張っていく強いリーダーシップが求められているのです。


参考:首相官邸 地方創生に向けた自治体SDGsの推進について

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